事例:カスタマーサポート ColorFabb

 

ColorFabb

カスタマーサポートチームに、データドリブンなカルチャーを育する方法

自分の主張をデータで裏付けることの大切さ

Ralph van den Borst は、 3D プリンティング フィラメント会社ColorFabbに入社して4年になります。入社当時、チームはチケットの管理に Outlook を使用しており、約 240 ものサブフォルダーがありました。チームはよく「今日は本当に忙しかった」とか「今日は悪い日だった」などと言ってましたが、Ralphは、データに基づかない直感だけの評価や感想だけでは、発展できないことを知っていました。

Ralphは以前、ニューヨークのスタートアップ企業で働いており、すべてのクライアントサポート業務がデータによって裏付けられる文化に慣れていました。彼は、ColorFabbでこれを実現する必要がありました。

” 前職の同僚は皆「データで裏付けせよ」とよく言っていました。”

データドリブンな文化の構築

Ralphがチームに加わって最初にしたことのひとつが、KPI の導入でした。これにより、提供しているサービスを改善するために何をする必要があるかについて、理解が深まりました。

それから、受信チケットを管理するために Zendesk を導入しました。以前は、全員がすべてのチケットに目を通すことができたため、いくつかの選り好みが発生していました。Zendesk では、すべてのチケットが 1 つの CRM プラットフォームで管理されるだけでなく、作業負荷が均等に分散され、チケットを公平に割り当てることもできるようになりました。これがフェーズ 1 でした。

Zendesk の展開後、Ralph は Geckoboard を導入しました。彼はカスタマーサポートのダッシュボードを作成し、すべてのエージェントが現状をリアルタイムで完全に把握できるようにしました。さらに、Geckoboardをオフィスの 55 インチ テレビ画面に表示することで、エージェントは Zendesk でのレポート作成に追加の時間を費やす必要がなくなりました。必要なのは、数分ごとに顔を上げて、その瞬間に何が起こっているかの情報を確認することだけとなりました。

” 私はいつも言っているのですが、会社にとってあなたの役割が何であるかは関係なく、トイレ掃除でも構いませんが、結局のところ、あなたの給料を払ってくれるのはお客さまなのです。したがって、たとえ顧客中心ではないとしても、自社の顧客データについては知っておいてほしいと思います。”

ZendeskとGeckoboardを導入した後、Ralphは業務の自動化に取り組みました。ヘルプセンターのコンテンツを充実させ、チャットボットを導入することで、チケットの枚数を月間1,800枚から800枚に減らすことに成功しました。

Ralphは多くの業務改善を果たしてきましたが、過去 4 年間に実行したすべてのことの中で、おそらく最も重要な変化は、企業カルチャーの変化でしょう。今でもエージェントが「今日は良い日だった」などと言うのを耳にしますが、以前との違いはエージェントがその発言を定量化できるようになったことです。例えば、「今日は良い日でした…当社の CSAT スコアは 100% です」など。彼らは、自分の主張をデータで裏付けることで、どう良かったのかを正確に示すことができるようになったのです。

 

 

チームに、データドリブンを構築するためのアドバイス

特に KPI を可視化することに慣れていないサポートチームでは、変化に対する拒否反応が起こります。このようなチームに対応するために役立つヒントとして、Ralphが実行してきたことを紹介します。

 1.Simon Sinek (サイモン・シネック) のゴールデン・サークルを活用する。

Sinekの有名なTedTalk「ゴールデン・サークル」は、Ralphが大切にしている教えです。リーダーは、「なぜ」を伝えることで信頼、協力、変化を促すことができます。「どのように」「何を」は簡単ですが、賛同を得るには「なぜ」を明確にする必要があります。なぜこのような改革を行うのかを理解したチームは、その考えに賛同できるようになるからです。

2.ダッシュボードを見るよう促します。 (1 日に複数回)。

チームメンバー全員が、現在の状況と KPI に対するパフォーマンスを認識する「習慣」を身につけることができます。

3.他のチームにダッシュボードを見てもらう。

サポートチームのKPIに他部署の人たちが定期的に関わるようにしてもらいます。これにより、ポジティブな変化が起こっていることが認識され、組織全体の中でチームの存在感や知名度が高まります。


Ralphは、過去 16 年間 3D プリンティング業界で働いてきました。ColorFabb では、セールス、マーケティング、カスタマー サポートの責任者を務めています。ColorFabb はオランダを拠点とする 3D プリンティング会社で、世界中にフィラメントを販売しています。

サム・ゲイン © geckoboard